女性特有の悩み「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」を改善するために

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人工授精・体外受精について

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における人工授精・体外受精の可能性とそれぞれの特徴について解説します。 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と人工授精(AIH)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどのような病気か人工授精(AIH)とは、女性の排卵時期に合わせ人工的に夫の精子を注入する不妊治療法のことです。人工授精の成功率は、およそ10%程度と言われ、確率としてはあまり高いものではありません。

人工授精の前後に性交をしている場合も多いため、実際の確率はもっと低いと言われます。

また、人工授精では精子を洗浄するのですが、それによって精子の数が少なくなるというデメリットも。採取した精子を持ち運ぶ際に精子の質が低下しているということも確率の低さに影響しているかもしれません。

このように、もともと受精の確率が低い人工授精は、排卵機能に障害を持つPCOS患者にとって、残念ながらあまり向いている治療法とは言えません。というのも、PCOSでは通常でも難しい排卵の特定がとても難しいだけでなく、排卵しないこともあるからです。卵子が排卵されなければ、精子と出会うことができず、妊娠も成立しないというわけです。

PCOSにおいてAIHを成功させるには、どのようにして排卵とAIHの施工日を合わせるか、という医師の腕前にかかっているのです。とはいえ、どれだけ医師が優秀だったとしても、成功はかなり難しいことであり、タイミングにかんして神経質になりすぎるのは避けるべきです。

ストレスを抱えることは、妊娠を望む方にとって良いことではありません。あくまでも、AIHは、もしかしたら、のおまけ程度に考えておくと、気を楽にできるでしょう。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と体外授精(IVM-IVF)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどのような病気か体外授精を行う場合、卵子をたくさん採取するためにhMG-hCGの投与を行うことが主流となっていますが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)においては、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)や多胎妊娠のリスクが高まるため、大変注意をしなければなりません。

PCOS患者にhMG-hCGを続けて注射すると卵巣刺激が強くなりすぎて、卵子が20~30個以上できてしまうのですが、その状態に排卵・受精を助けるがOHSSの原因となるhCGを投与するため、OHSS発症の可能性が非常に高くなってしまいます。

ですので、PCOS患者の方が体外受精を行う場合は、可能な限り発育卵胞数を少なくし、リスクを軽減することが重要と言えます。採卵される卵は、「量より質」が大切なのであり、そこに医師の技量がかかってくるのです。

OHSSのリスクを抑えながら排卵をさせたい場合、特に有効とされるのは、hMG-hCG療法(FSH製剤)の中でも少量漸増法とGnRHアンタゴニスト併用法と言われるものです。少量漸増法は、FSH製剤を少量から徐々に増やしながら卵胞の発育させていく卵巣刺激法で、GnRHアンタゴニストは、hMGの投与量が少ないことからOHSSの発症率が少ないとされています。

また、体外受精の中でも、まだ歴史的には浅いですが、「未成熟」な卵子を採卵して体外で成熟させる、「未熟卵子体外培養体外受精法(IVM-IVF)」が近年高い注目を集めています。

IVM-IVF最大のメリットは、卵巣内で卵子を大きくしなくて良いのでhMG-hCGの投与の必要性が無く、OHSSの危険を回避できることでしょう。未熟卵を採取する大きさにも複数の意見がありますが、最近では多くの成功例が報告されており、今後有効な手段として、不妊治療の主流となっていくと考えられています。

PCOSと卵子の質にかんして

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とはどのような病気か人工授精(AIH)と体外授精(IVM-IVF)の可能性について触れてきましたが、これら最先端の治療を行う前に考えなければならないことがあります。 

多嚢胞性卵巣(PCO)の病態を持った患者さんは、質の良い卵がなかなか育ちにくいため、妊娠まで至らないことが多いわけですが、例え最先端の人工授精や体外授精を行ったとしても、根本の不良卵子を作ってしまう体自体が治ったわけではないのです。

人工授精・体外授精を成功させるためには、質の良い卵子であることが第一条件ですので、まずは自身の体を改善して最高の状態に整える努力をしなければなりません。十分な睡眠と適度な運動、そして栄養バランスの良い食事を続けて健康な体を保つことが妊娠への最大の近道となります。

 
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多嚢胞性卵巣症候群の改善ガイド